2002年フランス年間ゲーム大賞を受賞した作品。フランス語では、「La Guerre des
Moutons」（羊の争い）。ドイツ語では、「Meine Schafe Deine Schafe」（私の羊、あなたの羊）。そして日本語で「ひつじ牧場」というタイトルがつけられています。この中では、韻を踏んでいて素敵な意訳のドイツ語タイトルに軍配をあげたいところです。さて、それはそれとして、タイルをめくって、つなげていくという、私の好きな「カルカソンヌ」風であるところに入手前から惹かれるものがありました。
パッケージ絵は、右の写真の通り、狼に、羊に、猟師がわかりやすくかかれており、この絵から童話が作れそうな、実に楽しそうな（？）雰囲気を醸し出しています。
プレイにあたっては、まず最初に自分がどの羊を受け持つか、カードを引いて決めます。他の人には内緒です。次に、付属の布袋にタイルをすべて入れ、その中から各自４枚ずつタイルを手札として取り出します。自分の手番になったら、表面、裏面、どちらの面を利用してもいいので、すでに置かれているタイルに絵がつながるようにタイルを置いていきます。自分の色の羊を柵で囲い込むように、密かに牧場を作っていきます。そして最後に一番たくさんの羊を柵で囲い込んだ人が、このゲームの勝利者となります。
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ルールの基本は、そんなところですが、他にもいくつか面白い点があります。例えば、タイルを置いたあとに、布袋からタイルを補充できるのですが、置いたタイルがいくつのタイルに接しているかにより、補充できる枚数が変わってきます。２つのタイルに接するようにタイルを置くと、２枚補充できるし、３つのタイルに接していると、３枚補充できます。補充枚数により、どんどん手札が増えて行きますが、たくさんタイルを持っているほど、後々有利にプレイをすることができます。また、狼・猟師のついているタイルもあり、それを置くことで、羊を囲い込むのを（狼で）妨害したり、その対抗手段として猟師で狼を追い払ったり（防いだり）することもできます。また途中で、自分の羊の色を公開することも可能です。その時は、ちょっとしたボーナスアクションが行えます。
このゲーム、見ての通り羊の絵も可愛いし、タイルの質も、悪くありません。しかし、是非、プレイする前に用意して欲しい物があります。それは、”ついたて”と”大きな布袋”。ついたては手持ちのタイルを隠すのに必要です（下の写真のような箱でも可）。また、布袋は付属していますが、そのサイズが小さすぎるので…。 |
プレイ感は、なんとなく「カルカソンヌ」の一作目の方に似ているところもあります。また、このゲームは２人でプレイしましたが、２人でも結構楽しめます。３人だとまた違った感じになると思います。米国の評価サイトでは、このゲームは人数が多いより、少ない方がベターと書いている人もいましたし、２人がいいと書いている人もいました。同時期に入手した「カルカソンヌ２」に較べると、若干個人的評価は落ちますが、これはこれで、また違ったタイルめくりゲームとして楽しめます。タイルの数がもう少し多ければ、もう少し長い時間楽しめていいのですが（拡張版が出ることに期待）。このゲーム、「カルカソンヌ」同様、タイルをめくってつなげるのが好きな人に、特にお薦めな一品です。
（2002年12月14日・記）
データ
Phillippe des Pallieres作
(c)2002 Goldsieber Spiele／２−４人用／
７歳以上／３０分 |
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